当ブランドでは基本的に多くの製品は手縫いで制作しているのですが、
ソフトレザーを使うバッグや小物、肩紐のような長いもの、パッチワークなどにはミシンが活躍します。
手縫いにもミシンにも得意不得意があるので、
どちらが良いとか悪いとかそういうお話はこちらの記事で。
ミシンの中でもこだわりの古いミシンを使っています。
取説もなければ部品も希少、SEIKOのTE2というミシンを使っています。
半回転釜で上下送りという仕様の最強のミシンなんです。
現在は全回転釜が主流ですが、半回転釜のほうが糸締まりが良いのです。
一見似たような形でTE5やTE6といったシリーズもありますが、
それらはすべて上送りのみなので、厚みに弱いのです。
そんなことで探しに探して購入した私の愛機なのです。
しかし購入時は大変でした。
情報過多の時代なのにネットを探してもほとんどこのミシンの情報がないのです。。
友達になるまでは本当に大変でした。
やりながら正解不正解を探っていく感じでしたね。。
そんな感じで先日、このミシンでいつものようにカタカタ縫っていました。
「ん・・・・!?動かない。。」
ペダルを踏んでも動かないのです。
一度電源を落として、再度つけてみる。
そうすると急に「ドドドドドドド!!!!」
ミシンが勝手に縫い始めるのです!!
縫い途中だった革の上を戦車のようにぐちゃぐちゃにしてくれました。
もし指が縫われてたと思うと、ぞっとしました。。
とにかくいろいろと試したものの、
調子よくなったり暴走したりを繰り返す始末。
怖くて使ってられないと思い、修理も考えましたが、
ミシン購入時に装着されていたサーボモーターはかなり古いものでした。
「よし!新しいものに変えよう。」
ということで、自分でやることに。
ミシンをだいぶ理解してきたこともあって、案外簡単にできました。
時代によるモーターの発展もすごいもの!
明らかに縫ってる際のトラブルが減る!
モーターによる影響ってあるんだということがわかりました。
もうミシンが楽しくて縫ってぬって縫いまくっていたら、
いつもよりでかいパッチワークトレイになってもうた。
ところで故障してしまって取り外したサーボモーター。。
感謝を伝えたあと、「どこで廃棄できるのかな」と調べてみると。
こういったモーター系は一般廃棄物ではなくて「産業廃棄物」となるとのこと。
産業廃棄物は専門に受け取ってくれる業者さんがあるみたい。
調べたらうちのすぐ近くにあるじゃん!
ということで早速持って行った。
なんか重さを調べられた後、受付に案内される。
廃棄料を支払うのかと思ったら、それどころか、なんと2千円くれた!!
わーいわーい。
「ドラえもんの道具でこんなやつあったな。」なんて思った。
これはもしや「空き缶」集めて持っていくとお金になるあれか。
わたしも龍が如くのゲームの中でだったらやったことがある。
空き缶集めはホームレスのかたなどの事情もあり、
このあたりは世の中でもいろいろと難しい問題があるようだ。
とにかくこうした産業廃棄物はおおよそ53%くらいはリサイクルされているらしい。
ひとつものを捨てるにしても、いろいろと勉強になる。
最近よく耳にするようになった
「サステナブル」・・・「持続可能な」「維持できる」という意味だが、
具体的にいうと「持続可能な社会」をつくろうみたいな。
それは、地球の環境を壊さず、資源も使いすぎず、未来の世代も美しい地球で平和に豊かに、ずっと生活をし続けていける社会のこと。
このあたりのお話は革業界でも大事な考え方です。
革製品を使うこと自体がサステナブルなんです。
このことをもっと伝えていかなければなりませんね。
動物から食用として命をいただく。
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畜産から常に出続ける皮。
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活用しないと年間で100万頭分を廃棄焼却することに。
(ハンドバッグ769万個分)(革靴にして2500万足分)
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地球の二酸化炭素もひどいことに。
革製品は高いからと、長持ちしない安価なものを使う。
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壊れたりしてゴミとなる。
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使わない皮も余る。
↓
1年間で大量のゴミが出て廃棄焼却することに。
↓
地球の二酸化炭素もとんでもないことに。
↓
革ってとにかく長持ちします。
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そう考えるとリーズナブルでエコなんです。
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みんなでレザー製品を使っていけばサステナブル!
革製品を使っている人は地球にも人にも優しい。
「音楽やってるやつには悪い奴はいない」、という言葉がその昔ありましたが、
「革製品使っているやつには悪い奴はいない」これもまた本当の話です。
ではどんな革製品を使えばいいのか。
答えはそう!自然に優しいタンニン鞣しのヌメ革でできた、
細部まで作りにこだわって、なかなか故障しない、
されどどんくさくなく、人を魅了するレザーブランドがいい。
うちもそのひとつだと自負しています。
例えば今回制作したお財布をご覧ください。
捨てられてしまう熟して腐敗しはじめたバナナの皮を使ってお財布にしました。
どうです?サステナブルというかエンターテイナーでしょ?
もちろん嘘です。染色ですよ。
アフリカの動物クーズーの革。
野生の動物なので、見た目は傷だらけ。
なのに赤ちゃんのようなモチモチした触感。
グラスを置きたくないと話題の美しすぎて機能を満たせないコースター。
箱ティッシュを脇に抱えるワイルドなやつから、さりげなくバッグから出すオシャレなやつに変身できる箱ティッシュカバー。
暇なときはお手玉代わりにもなる巾着型コインケース。
ポケットにいれても刺さらない、痛くない丸型キーケース。
シックな雰囲気に差しデザインを入れた新たなジャンルですね。
こういうのも最近推しています!
逆に製品を越えた芸術作品みたいなものも、やはり当ブランドならでは。
染色の枠を越えて、絵を描いています。
色合いの表現も一風変わっています。
オンラインストアに並べましたので、チェックしてくださいね。