革製品の修理とエイジング

ベルトへり返し仕立て

 

世の中の小学生は夏休み真っ只中ということで

うちの娘もまさにその夏休みという魅惑のダンシングエモーション中であります。

 

この夏休みとやらは世の中の親に多大な影響を及ぼすわけで、

・早朝からのエモーションダンス(ラジオ体操)

・エモーションスタディ(宿題のつきあい)

そして昨日はプール当番(監視)に行って参りましたが、

8人の悪がきどもにエモーションウェーブを浴びせられ

下半身ずぶぬれになりました(爆)

 

そんな夏のKING OF LEATHERエモーションでございますが、

本日はエイジングと修理のお話です。

 

革製品は確かに丈夫なものではありますが、

メンテナンスや使い方を誤ると、寿命が短くなります。

乾燥してくると人の肌が荒れるように、革にも脂分は非常に大切です。

 

革製品で一番壊れやすいところはやはり金具関係です。

ホックやファスナーといったところです。

毎日負荷がかかる箇所なども、やはり壊れやすいです。

 

当ブランドでもたまに修理のご依頼がきますが、

糸切れなどの修理は一度もなく、負荷のかかる箇所の劣化と

金具もしくはその周辺の革の劣化などです。

 

修理の際は合わせてメンテナンスをさせていただいています。

久しぶりに目にする自分の作品にはその表情や風合いの変化など

ひっそりと楽しませていただいております。

 

コバ(革断面)を磨きなおしたり、オイルを塗布をしたりといった

メンテナンスですが、もちろん無料でさせていただいています。

メンテナンスだけしてほしいという方がおりましたら、

もちろんご対応させていただきます。

 

先日修理のご依頼のあった長財布です。

購入後半年の風貌です!

なかなか素晴らしいエイジングを遂げております。

ドロップハンドルが取れてしまったということで、修理いたしました。

もちろん1年未満ですし、こういった修理は無料でご対応させていただいております。

 

多脂革エイジング

 

コバの磨きなおしとオイルを塗布して完成いたしました。

オイルで細かい傷が隠れ、さらに色が濃くなります。

コバも輝いていますね。

 

長財布修理

 

こちらも以前ホックあたりを修理したものですが、

全体的にまんべんなく美しいエイジングです。

 

栃木レザーヌメ革エイジング

 

ちなみに人が日焼けをするように原理は違いますが革製品も日焼けをします。

自然と使っていくうちに行われる経年変化とは違い

半ば強引ですが、色を濃くさせるにはありだと思います。

私もたまにしますが、車の中がおすすめです。

ベランダとかですと急な雨や突風が怖いですから・・・

 

ただ、あまりやりすぎると(特に夏場)表面がカサカサになってしまいます。

このあたりも人の肌と似てます。

焼いたあとはしっかりオイルを入れてあげてくださいね。

 

※オイルを入れすぎると革にコシがなくなってしまうため、

このエイジング作業を繰り返すことはおすすめできません。

 

エイジングさせる方法

 

こちらシームレスiPhone。

右は新品で、左は1年ほどになりますが、

時間をかけて育てた自然なエイジングが

やはりわたしは好きです。

革にもそのほうがやさしいと思いますよ。

焦らずいきましょ!道は長い!

 

シームレスiPhoneケースエイジング

 

知り合いから時計のベルト修理のご依頼です。

時計のベルトはやはり消耗品ですが、

オイルを一度も塗布したことがなかったことにより、

必要以上に革がボロボロになっていました。

メンテナンスはやはり大事です。

 

ということで・・

修理というか完全につくりなおしましたw

 

時計修理

 

時計のベルトは仕立て方法がいくつかあるのですが、

 

へり返し仕立て

フランス仕立て

半へり返し仕立て

ウェルダー仕立て

切り身仕立て

 

一番手間がかかり高級腕時計ベルトに使用されている方法が

へり返し仕立てというものです。

 

せっかくなので、その手間がかかる仕立てで製作させていただきました。

バーガンディーとピンクのツートンです。

裏は水に強い水牛を使用しました!

 

ベルトへり返し仕立てベルト裏水牛仕上げ

 

そして最後にこちらの修理のご依頼です。

カービングデザインが大変素敵なかばんですが、

今は亡き方が当時製作したもので今後も形見のように大切に使用していきたい

とのことで、修理を承りましたが、なかなかの責任重要な任務です。。

 

失敗は許されませんので・・・・

覚悟を決めました!!

 

レースが途中途中で切れ、角を中心に全体的にすれていました。

取っ手もだいぶ劣化していましたので、交換することになりました。

 

全体にカラーをいれ、汚れをとりオイルをいれ、

レースを編みなおし、取っ手をつけてなんとか問題なく完成することができました。

 

製作している中、当時このかばんを製作していた方の手作業の想いを感じることが

できました。ひとつひとつの作業がすごく丁寧に仕上げられていました。

他人の作品に手を入れることはいろいろと勉強になります。

正直荷は重い仕事ですが、

 

「革製品を時代を越えて繋げていく」といった素晴らしい任務だと思います。

 

レースかがり修理

 

そして完成したかばんです。

また末永くお供していただけると思います!

 

レースかがり修理

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