缶詰状態KING OF LEATHER宇高です。
ものづくりを生業にする人は孤独な時間が多い。
没頭している時間はまったく苦ではないが、なぜかモチベーションを維持できなくなるときがある。
そんなときに漫画家、浦沢直樹先生が企画する「漫勉」という番組を発見した。
様々な漫画家の制作現場を数日間密着取材するという、なんとも興味深い番組。
この番組の面白いところは、各漫画家さんの作業部屋、スタイル、描き方、苦悩や葛藤を生々しく伝えている。
一瞬で読み進めてしまう漫画の1コマ。
でもこの番組を見ると、1コマをもっと大切に読み進めたくなるはず。
「読者を喜ばせたい。そのために命をどこまでも削ってもいいやということなのかもしれない。」
ある漫画家さんが言った言葉でガーンとやられた。
長時間の過酷な仕事であろうと、こういう気持ちを持ち続けられる生業。
楽しく生きるということは、決して「楽」に生きることではなく、苦しいからこそ感じることができる「楽」があるのだろう。
頑張る人をみると頑張れる。
こんな感じで、たまには外に目を向けて元気をもらってやっています。
さて、4年前くらいに制作させてもらったお財布のメンテナンスのご依頼。
現在の定番は昭南皮革ですが、こちらは栃木レザーで制作したものです。
経年変化で革が薄くなりコンチョのネジがあまってしまい、ホックがうまく締まらないということでした。
ちょっとオイルがきれている部分や革が薄くなったため、金具系が若干緩んでいました。
糸の色もところどころ白くなって、コバもちょっと荒れ気味。
ケツポケットの反り具合、なかなか味わいがあります。
まずは全体の汚れを取り除き、コバや床を磨きなおしました。
その後ホックや金具を軽く叩き直し、ドロップハンドルなどの緩みを取り、コンチョを新しくしました。
コロニル ディアマントを全体に塗布したらかさかさしていた部分もしっとり。
新しいウォレットロープをセットして完成です。
色合いもよりぐっとしまり、革も生き返りました。
革は丈夫なものですが、末永くお使いいただくにはやはりメンテナンスは必須です。
簡単なメンテナンスでしたら送料だけご負担いただければ、無料でご対応いたしますのでご相談ください。
ウォッシュド加工が味わい深いTHE NEW+OLD WALLETを制作しました。
エイジングとはまた違った味わいがあります。
この新品状態からどんどん柔軟性を増して、艶が出ていきます。
ウォッシュド加工の特徴はこの革のうねり具合。
ウォッシュド加工していないお財布をどんなに使用しても、このうねった感じにはエイジングしません。
使用する度に革が柔らかくなり、少しづつうねりはなだらかになっていきますが、独特な風合いは残ります。
アンティークなものが好きなかたには、ズキュンときますよ~!
それではまた。