実は合皮こそ高い買い物!22年間現役無敵の総革張りソファの話

B5リフィル対応バインダーシステム手帳

 

私の結婚生活が始まったとき我が家にきたソファが現在22歳くらいになる。

当時祖母からのお祝いの10万円を握りしめ、妻と2人で家具屋に行った。

まあまだ若い二人。5万円くらいのソファで良いものはないかと探していた。

当時でも5万円だと大体は合皮。

もしくは一部、革みたいなものが多かった。

そんな中、店内の中央にドーンと存在感がある3人掛けのソファが目に入る!!
座った瞬間、今まで試していたのとは明らかにレベルが違う!!

瞬時に思った。しまった・・・!!尻が覚えてしまった!この快感を!

 

ちなみにおいくら万円なのだろう?

そっと値札を探すと値札がない。あれあれあれ?もしやタダ!?(アホ)

 

そんなあたふたを嗅ぎ付け、店員さん現る。

「それすごく良いでしょ。座る面はもちろん、裏も下もすべて革なんですよ。」

これが噂の総革張りってやつです。

それを聞いた瞬間、逃げたくなる心情。。

だって2~30万はくだらないでしょ?と。

 

店員さんが得意げに言う。

「1点ものだから今なら10万ジャストです」って。

財布の中身を見られているかのようなお値段設定・・・

でも安く感じるこの不思議な感覚・・・

しかし予算の倍・・・

 

今は「モノとの出会いは一期一会」なんて言って商品を販売する側ですが、

その当時はこのソファが一期一会になるなんて思ってもいません。

 

若干迷いながら、でも妻と顔見あわせたとき思いました。

もう幸せに暮らしてるイメージが湧いてしまったのです。

運命にこじつけて、あえなく即決。

 

でも間違ってはなかったです。

私が一人暮らししていたときに買った2万円のソファなんて半年で壊れた。

結果5倍の値段以上の大活躍です。

そんなソファが成人を過ぎて、今や22歳。しかも現役。

いろいろな思い出が染みついている。

 

肋間神経痛でベッドで寝れなかったときもソファなら寝れたあの日々。

片頭痛で横になれない時もソファならうまく寝れたあの日。(そんなんばっかりw)

具合悪いときいつもそばにいてくれた。

こうなってくると古いからという理由だけでは処分することはできない。

崩れて座れなくなるまで、座ってやると・・・。

 

 

先日、家具屋のソファ売り場をなんとなく見ていた。

10万予算では、もう総革張りのソファは買えないだろう。

10万円前後では素材としては大体はこの2つが多い。

いわゆる合皮。

・PUレザー(ポリウレタンレザー)

・PVCレザー(ポリ塩化ビニル)

どちらも土台になる布に、PVCかPUを塗布した人工素材。

 

世の中の「革」じゃない「革っぽい」製品に使われている。

レザーじゃないくせにレザーぶるんじゃない!って思っていたら、

遂に2024年3月、日本皮革産業連合会が発表してくれた。

今やレザーとも表記してはいけない素材に。

2024年3月、日本皮革産業連合会が「革」「レザー」と呼べる製品は、動物由来のものに限定すると発表。背景には、昨今、植物由来や石油由来の素材を「○○革」「○○レザー」と名付けて商品化することや、呼称されるようになったことを受けて、消費者が本革製品と合成皮革製品を誤認して購入してしまう例が増えていることがある。イタリア、フランス、スペイン、ドイツ、ブラジル、ポルトガルなどの諸外国では、同様の規定が法律で定められており、日本ではISO(国際標準化機構)規格に則り、法的な強制力はないものの、諸外国に倣う形でJISが制定された。

ちなみに独自調査した内容をまとめてみた。

種類 価格 耐用年数 メリット デメリット

PUレザー

(ポリウレタンレザー)

PVCよりも高価

3~10年

(実質)5年程度

柔軟性が良く本革に近い。 湿気・水・摩擦に弱い。

PVCレザー

(ポリ塩化ビニル)

比較的安価

5~15年

(実質)8年程度

手入れが簡単。 熱や日光に弱く柔軟性・通気性がなく蒸れる。劣化による変色が早い。
本革 高価

10~30年

(実質)15年程度

柔軟性・通気性・耐久性が良い 購入価格が高い。オイルメンテが必要。

 

合皮ってもちろん通気性や柔軟性など革に劣る部分は多いが、

メンテナンスも楽で価格の割になかなか耐久性があると思う。

でも劣化しだすと、一気にボロボロと崩れ落ちていく。

革のように徐々にというよりは、ある日突然みたいな。

 

昨年まで何事もなく着ていた合皮の革ジャンが、次の年一瞬にして剥けてしまったこともある。

かなり革みたいな手触りなのに、やはり革とは違う。

 

ソファにおいてはメンテナンス具合や構造、

中のクッション材の仕様もかかわるので

一概には言えない部分が多いが、

 

ソファ屋さんが言うには、

<生地の摩耗による耐久年数>

・ファブリックで約6~7年

・合皮で約4~5年

・本革で約10年程度が目安

・リーズナブルのものは「2~3年でソファがへたった」となるらしい。

 

そう考えるとうちの22歳のソファは

かなり当たりの商品だったのかもしれない。

 

このソファに出会ったときはまだ、革職人でもなかった。

22年を通して私にゆるぎない価値観を授けてくれたソファ。

ひとつのモノをできるだけ長く使うことの喜びだったり。

購入時は多少頑張って買ったけど、価格以上の価値あるものには

高いとは感じなかったあの当時のふたり。

 

このソファが教えてくれたことは、今のモノづくりにすごく影響しています。

「どんなに真似ても本物は越えられない。」byキングオブレザー

 

某有名ブランドのギターストラップ。

ちょうどタイムリーなことに、合皮の劣化。

この大事な部分に合皮を使ってるみたいで、ぽろぽろしてきた。。

製作コストをおさえようとしたのかな?

革っぽいから革だと思って買っていたあの頃。

 

正直全然使ってなかったストラップなのに、年数経過しただけでこれ。

使わなくても劣化していく合皮の姿が醜い。

合皮ってポロポロやらペロンと剝がれ落ちるように壊れていく。

 

でもすぐに捨てずに直すのがわたし。

モノへの感謝は忘れない。

本革に修理したらまだいける。

ギターストラップ修理

 

ということで合皮は案外、高価な買い物という話でした。

 

さてここからは本日リリース分のご紹介。

芳醇に熟したお財布。

甘い香りがしそうな深みのあるレッド染色になりました。

というか赤い染料って本当に甘い香りがするんですよ。

 

赤いお財布 赤いお財布

赤の次はブルーです。

ブルーといってもそう単純なブルーではありません。

独創的な染色技法で行う「世界にひとつ」の芸術。

B5リフィル対応バインダーシステム手帳

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ビンテージ仕上げの雰囲気を表現した丸財布です。

独自技法で枯れたイエローという不思議な世界感を演出。

ビンテージ仕上げ丸革財布

続いてはグレーとバイオレットの織りなすハーモニー。

バイオレットは高貴な色合い。

このグレーはさらにモダンな感性を惹きたてます。

シルバー×バイオレット革財布

 

シルバーハーフダレスウォレット。

手描きクロコレザーを施し、細部にも拘った芸術的な仕上がり。

シルバーダレスハーフウォレット シルバーダレスハーフウォレット

 

大人っぽいブルーで染色したラウンドファスナーウォレット。

内装や糸目も様々なブルーカラーでモダン配色。

ラウンドファスナーウォレット ラウンドファスナーウォレット

こちらもモダンなカラーになった着せ替えウォレット。

ベーシックな色合いにターコイズの光が美しい仕上がり。

何が着せ替えかというと使用用途に応じて、内装(別売り)をチェンジできます。

着せ替えレザーウォレット

ハンサイくん留守バージョンのハンサイポーチ。

ビンテージブルーで仕上げた渋い一品。

何度か紹介してますが、アフリカのKUDUクードゥレザーで仕立てました。

本来生きていたサバンナでついた、荒々しい傷やシミも

そのまま残っている野生の革です。

ちなみに内装はピックスキン。

内装もすべて革で拘っています。

なんやかんやで革が一番。

内装から破けて使えなくなるポーチなんて嫌だから。

ハンサイくんポーチ ハンサイくんポーチ

ショップにリリースしました。

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