ネタ切れのKING OF LEATHER宇高です。
最近ちょっと悩んでます・・・。
私の日々の仕事についてなんだけど、
毎日毎日新しいものをつくっていると正直ネタがなくなります。
過去と同じものはなるべく作りたくないから、新しいものって思うけど、結局、素材は大抵同じものしかない。
たまに珍しいものを購入してみるけど、経験不足でどう使っていいかわからん・・・。
そんなこんなでだんだんレパートリーが偏っていく。
だから日々生活している中で、常にアンテナははっておくようにしている。
そうすると、ふとした瞬間にアイデアが飛び込んでくる。
この前は昼テレビを見ながら。
なかなかいいじゃん!このアイデアって感じですぐに吸収してみたり。
ま、同じようなものでもいいかな。
そんなに変わったものとか新しいものじゃなくても。
大体素材が多すぎるんだよね。この世の中。
マンネリもいいじゃない。
そんな感じで毎日頑張ってます。
自炊を。
え?革のことじゃないのって?
まさか!
革についてはアイデアが溢れすぎてて、こぼれ落ちてます。
常に進化と変化とサスペンスのクライマックスのような感じでいきまっせ。
エルバマットレザーで制作したワンショルダーバッグです。
グレーとグリーンのツートンも良いですね。
このエルバマットという革はイタリアのトスカーナにある老舗タンナーTEMPESTI社というところが制作しています。
イタリアのトスカーナ地方には約570社というすごい数のタンナーが存在しています。
素晴らしいタンナーがひしめき合う中、その中でも特に優れたタンナー23社が加盟している「イタリアベジタブルタンニンレザー組合」というものがあります。
この組合に加盟しているタンナーは厳しい規則によって植物タンニンなめしを行わなければならないのです。
「なめし、再なめし、染色、加脂」すべての工程を第三者機関が監視・審査がありながら、さらにトスカーナ州で行うというのがルールです。
化学物質の検出と分析も行い、その基準は国際規格よりも厳しいものだというからすごい。
まさにその中のひとつがこのエルバマットを生み出すTEMPESTI(テンペスティ)社なのです。
というかTEMPESTI社はイタリア植物タンニンなめし協会の発起人でもあります。
しかもこのエルバマットという革の独自製法は、約30年前に業界初の特許を取得しています。
100年以上も大切に受け継がれてきたものを今私が扱えることは、本当に有難いことです。
こうして生まれる革素材は私たち革を扱う人にとっても、そして作品となって誰かの手に渡るときも、敬意を持たなくてはいけないと思うのです。
世の中、価値の比較はお金だけではありません。
良いものの価値を理解した上で、良いものを使わなければ、どんなに高くても安くても、あまり意味がありません。
先日ご購入いただいた八百屋の店主様とのメールのやりとりで思いました。
野菜も同じように見える野菜たちも、育った時季や作られ方で、食味や栄養にも違いが出てくるとのこと。
「目には見えない本質を売っていく」
すごくいい言葉をおっしゃっておりました。
私も感化されていきたいと思います。