私の住んでいるところは山梨県なのだが、
KING OF LEATHER工房からは素晴らしい富士山を見ることができる。
気づけば幼い頃から当たり前のようにそこにある山だが、
この山が見える場所は限られる。
富士山というのは見る角度によって見え方が違う。
静岡の方から見ると角が出っ張って不恰好な富士山だった。
山梨の特に私の住む場所からの富士山が一番良く感じる。
こういう山並みを見ていると、活火山なんて思えない。
KING OF LEATHER工房ベランダには実験が行われている。
様々なタンナーのヌメ革をエイジングさせ、その変化具合を試験している。
多脂革などといっても、これで結果が出ない革も少なくない。
素材の向上はかかせない。
そんな私の日々は朝から夜中まで工房で作業する。
しかし私にはもうひとつやるべきことがある。
子育てと家事である。
保育園の送り迎えはもちろん、家事という家事はすべてやる。
今流行の韓国男児みたいだ・・・。
家の床は掃除機とぞうきん。 革の床は徹底的にガラス版で磨く。
正直子育てが一番大変だ。
子供の心はこのブレスレットみたいに瞬間であらゆる色に変わる。
その瞬間に対応することは見た目以上に難しくやりがいがある。
また子供は朝起きてから、ボーっとしているときが一瞬もないのだ。
常に何かしている。
「ちょっと休んだら?」と言いたくなる。
ちなみに今はおもちゃのキーボードを絵本を見ながらひいている・・・・。
娘が「パパちゃん、革職人になりたい」といった。
ま、その前に私が「革職人になりたい?」と聞いたのだが。
いつか心の鍵を開けたい・・・・?
人生には選択することがたくさんある。
洗濯ものを畳みながら思った。
効率よく畳むより、 手が触れた順番に畳む。
目の前にあることをがむしゃらにこなす。
選択する余裕すらない日々が 幸せなのかもしれない。