メンテナンス

お手入れについて

初めて手にした革製品。
どのような変化を遂げるか期待を胸いっぱいに感じながらも、少し不安もあることでしょう。

永年共にして味わいが増した革製品ほど美しいものはありません。
鏡のような光沢としっとりしたオイル感、持ち主の形に変化した風貌。
そんな美しい革製品は傷や汚れは多少あっても、革が生きている状態だから美しいのです。
愛情をかけて 「育てられた」 賜物なのですね。

革は耐久性があり堅牢なのは事実です。
しかし人の肌と同じで、醜い状態で放置するとカビが生えたりオイルが切れて乾燥して、やがて裂けてしまうということもあります。

革というものは使用することはもちろん、綺麗にしてやったり、オイルをいれてやったり、愛情をかけて育てることが醍醐味のひとつです。

ただあまり過保護すぎてもいけなかったりで、子育てのようなコツも少なからずあります。
ですので、そういった基本的なお手入れ方法をここではご紹介していきます。


メンテナンス用品の準備

革用のメンテナンス用品は非常にたくさんありますね。
用途や使う時期などわからないことだらけでしょう。

基本的には下記3つになります。

・防水スプレー
・汚れ落とし
・保革栄養・艶出し

いろいろなメーカーのものがあると思いますが、当方が使用したものの中で、当ブランド製品にしっくりきたものを ご紹介していこうと思います。

ご購入後から順を追ってご説明いたします。


新品の革製品が届いたら

新品の革製品はまだ赤ちゃんのような肌です。
非常に傷も汚れもすぐに吸収してしまう状態なのですね。

ヌメ革をムラなくきれいな感じでエイジングしていきたい方は日光浴させてやっても良いです。
2、3日、雨の当たらない窓際や車のフロントガラスなどに置いておくというのも手です。
真夏でしたら1日でも十分かもしれません。
どうしてもやらなければならない工程ではありません。
ものすごくエイジングの差を感じるわけではないので、ここまではお好みで結構です。
それよりも日常の使い方やメンテナンスのほうが差が出る部分ですので、
そちらをしっかりやっていただきたい部分であります。

また日光浴ですが、カラー染色をした革製品はあまりおすすめしていません。
日光にも強い染料ですが、なんといってもまだ赤ちゃんですので、色についても落ち着いていません。
あまり強い日差しは退色、変色の原因にもなり兼ねません。
特にカラーでも薄目に仕上げたものや(ブルー、グリーン、ミント系)は若干退色に弱いです。

ナチュラル(生成)の商品の場合は日光浴は向いています。
カラー製品でも絶対だめということでもないので、この辺りは自己責任で。


カラー製品ついて

手染めしたカラー製品についてですが、染料は色落ちに強いものを厳選して使用しています。
色止めといわれる薬品は革の呼吸を妨げるのでなるべく使用せず、独自の方法で色止めをしています。
色によってははじめ色移りしやすいものもございます。(ブルー、グリーン、ミント系)の青系のものなど。
バッグなどで淡い服での使用の際はお気を付けください。

カラー製品のエイジングについてですが、革をコーティングしてしまう顔料ではなく、革の風合いを楽しめる染料を使用しているため、
下地のヌメ革の変化を受けて色合いが濃くなっていきます。
顔料は新品の色合いを維持できますが味はでません。逆に、染料で染め上げたものはどんどん艶が増し、奥深いカラーに変化していきます。
薄いカラーのものは若干退色もしやすいですが、ナチュラル(生成)とはまた違った色合いになります。
染色の仕方も多種多様なので、エイジングの仕方も正直答えはご説明できません。
そんな未知なる部分が醍醐味であって、魅力を感じていただければ幸いです。


最初の天敵は水、手汗

まず初めにご用意していただきたいメンテナンス用品は防水スプレーです。
最初のうちヌメ革は水でも染みになってしまうほど繊細な表面状態です。
万が一濡れてしまいシミになりそうな場合は、固く絞った布などで周辺を含めて拭きましょう。
要は部分的に濡れるから滲みとなってしまいます。
多少色合いが変わる場合もありますが、大抵はエイジングとともに目立たなくなります。
ヌメ革は濡れてはいけないわけではないのです。
実際制作の際も、湿らせて行う工程もあります。
ただ最初のうちは特に水シミができやすい状態ですので、
ポタッという水には上のような処理をなるべく早くに行ってください。
拭きとった部分には若干オイルを入れてあげても良いかもしれません。
オイルに関しては後ほどご紹介します。

ということで革製品が赤ちゃんの頃は、そうなる前に水に備えたメンテナンスをしておくと良いです。
そこで登場するのが防水スプレーです。

★ここで1つ注意点です。

ホームセンターなどで売られている靴や傘などの防水スプレーはデリケートなヌメ革にはおすすめできません。
革の呼吸を妨げてしまう成分が入っているものが多いのです。
これではエイジングにも影響を与えてしまいます。

そこでご紹介するのがフッ素系の防水スプレーです。
フッ素系は革の呼吸を妨げないで防水効果があるので、ヌメ革にはおすすめです。

ヌメ革にはヌメ革専用の防水スプレーがあります。
私が愛用しているのはドイツ生まれのコロニル製品です。
特に1909シリーズはコロニルの100年の技術の集大成とさせているのでおすすめです。

コロニル 1909シュプリームプロテクトスプレーがおすすめです。

防水スプレーの効果は徐々に切れるので定期的に塗ってくださいね。


当ブランドのヌメ革メンテナンスについて

当ブランドで定番で扱っているヌメ革はナチュラル(生成)とカラー(染色)とも基本同じもの素材を使っています。
世の中にはたくさんのヌメ革と呼ばれるものがありますが、はっきりいって、原皮の質、鞣し方、仕上げ方、まったく別物なんです。
原皮から革にするまで2週間でできてしまうものもあれば、3か月かかるものもあるのです。
もちろん3か月かかるものは価格も単純に高いです。
当ブランドの使用するヌメ革は質の良い原皮を2~3か月をかけてじっくりなめされています。
その違いは使っていくと差が出ていきます。
コシの違いといいます。
どんなに硬く仕上げた革でも、短期間でなめしたコシがない革は使っていくうちにフニャフニャになっていきます。
長時間かけてなめされた革は芯がしっかり残ったまま柔軟性が出てきます。
この点が一番の違いかと思います。

またオイルの抜けも差が出ます。
オイルが抜けるとカサカサになり、ひび割れを起こします。
当ブランドの扱う革はじっくり時間をかけてなめされているため、オイルが簡単に抜けません。
ですので、1年に1回のオイルメンテナンスで十分かと思います。

ただもちろん革は生き物です。
革製品の種類、使用頻度や環境によっても多少オイル抜けの差があります。
例えば常に手にしているiPhoneケースなどは手の脂のせいかオイルをまったくいれなくてもいけたりします。
なのでオイルメンテナンス期間はあくまで目安としていただき、人間の肌と一緒で、状態を把握してやるのが一番です。
乾燥する冬などは革も乾燥しやすい傾向にあります。人も冬はクリームを塗らないと乾燥しますよね。
革も表面がちょっと乾燥してきたかな?と思えばオイルを入れる必要があります。

大切にするあまりに一度の大量に、または頻繁にオイルを入れすぎてしまうかたもおりますが、
油が入りすぎると革のコシがなくなり、伸びやすくなって型崩れの元となります。

こうなってしまいますと上質な革の良さが失われてしまいます。

オイルメンテナンスのコツとしては「革の元気な状態を知る」ということです。
元気なときは無理にオイルをいれないということです。
上質な革ほどオイルメンテはあまり必要ないということですね。

さて、半年~1年ほど使ってきたとします。
だいぶ元気がなくなってきたと思いましたらオイルメンテナンスのタイミングです。

ちょっとその前にオイルはまだ塗らないでください。

汚い顔にクリームを塗らないのと同じように、きれいにしてやることが先です。
日々使われてきた革製品は、手垢など見えない汚れがたくさんついています。

そこでおすすめなのが、コロニル レザーソープです。
ムースタイプなので使いやすく、保護すると同時に革を引き締めながら栄養を与えてくれます。

コロニル デリケートクリームというさらに強力のクリームもありますが、
こちらはシミになりやすいので、私的にはおすすめしません。
あまりひどい汚れには自己責任でお使いいただくと良いと思います。

コロニル ソフトガミという消しゴムタイプのものもあります。
部分的な汚れに使いやすいものですので、こちらは合わせてお使いください。

綺麗になったところで、オイルを入れます。

コロニル 1909シュプリームクリームデラックスがおすすめです。

ただ艶が出ていない赤ちゃん状態で塗ると、シミになる場合がございます。
艶が出てから塗るのがおすすめです。
さらに防水スプレーをつけたあとに塗るとシミができずらいというコツもあります。

あとは撥水効果があるラナパーはお手軽です。
塗ると防水効果も得られるので、製品によってはおすすめです。

他にはニーツフットオイルは日焼けしやすくなるオイルです。
液体ですので、塗りやすいと思います。
濃いエイジングになりやすい使いやすいオイルですが、
若干コシを失いがちになりますので、塗りすぎは危険です。
メンテナンス後は若干色合いが濃くなります。

オイルが乾いた後はブラッシングをしていただくと無駄なオイルが取れ艶がぐっと増します。

おすすめは柔らかく綿毛のような感触の最高級山羊毛ブラシ
コロニル 1909ファインポリッシングブラシです。

あまり硬すぎない毛のものでしたら代用していただいても良いと思います。

全体をシャッシャと軽く摩擦をかけてくださいね。

オイルメンテナンスとしてはこれで終了です。
オイルはどれかひとつで結構です。
2つも3つも使う必要はないです。

必要なものをまとめてみました。

・防水スプレー(コロニル 1909シュプリームプロテクトスプレー)
・全体汚れ落とし(コロニル レザーソープ)
・部分汚れ落とし(コロニル ソフトガミ)
・保革栄養(コロニル 1909シュプリームクリームデラックス)
・艶出し(コロニル 1909ファインポリッシングブラシ)

■コロニル
http://www.collonil.jp/


ヌメ革以外の革のメンテナンスについて

【ブライドルレザー】
基本的にヌメ革と同様のメンテナンスになりますが、
ブライドルレザーはロウが浸透しているため、表面に白いロウ(ブルーム)が浮き出てきます。
これを乾拭きして磨いてやると美しい艶が出ます。
いずれロウが出なくなりかさつき始めたらオイルを塗る必要がございます。
ヌメ革と同じようなメンテナンスになります。

【ミネルバボックス】【エルバマット】
オイルがたっぷり入ったイタリアのこの革は特にオイルメンテナンスは必要ありません。
復元性も高く傷も指で撫でると不思議と修復してしまいます。
メンテナンスとしては、オイルメンテナンスよりはクリーニングです。
ヌメ革のように汚れ落とし(ブラッシングなどもOK)→かたく絞ったTシャツのはぎれ等で水拭き→最後に乾拭きをして表面の古いオイル分をとってやります。
そうするだけで、また使っていくうちに革の内部からオイル分が浮き出て表面をコーティングしてくれます。

【エイ革】
エイ革は硬く絞ったもので拭いてあげるだけで良いです。

【他】
基本的にヌメ革と同様で良いと思います。
また特殊な革の際は項目を追加していきたいと思います。
ご不明な点はいつでもお気軽にご相談いただければ幸いです。


金具系メンテナンス

コンチョ・ドロップハンドルなどのネジ式の金具は、耐久性向上のため接着剤を塗布して、
十分に締めてお届けしておりますが、どうしても長く使用を続けていくとネジが次第に緩んでくることがございます。
紛失しないためにも、定期的にチェックをお願いします。

またバッグなどについたカシメなどは経年変化で薄くなっていく革の影響で緩む場合がございます。
カシメ打ち工具があれば簡単に叩き直せますが、当方に送っていただければ無料でご対応いたしますので お気軽にご相談ください。


ファスナー系メンテナンス

永年使用していくとファスナーのスムーズさがなくなってしまうことがあります。
そんなときは専用のスプレーなども売っていますが、手軽な解決策としてろうそくや蜜蝋をファスナーの金具部分に軽くしごきます。
その後、何度か開け閉めするとスムーズになりますのでお試しください。


全体的なメンテナンス

永年使用していくと、革の断面(コバ)の毛羽たちや深い傷、部分的な劣化、糸切れなどが発生する恐れがございます。
そういった場合のメンテナンスは当方で対応させていただきます。
送料だけで可能なメンテナンスもありますので、是非一度ご相談くださいませ。

メンテナンスや修理については
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