バナナがいっぽん ありました
青い南の 空の下
こどもが二人で 取りやっこ
バナナがツルンと とんでった
バナナはどこへ 行ったかな
バナナン バナナン バナァナ
バナナはうちにありまっせ♪
新発売バナナペンケース。
新商品を生み出す際、「なるべく世の中にはないもの」「誰かの心をときめかせたい」と願いながら、思考を巡らせます。
ただ今の時代すでに世の中には洗練されたものが腐るほど存在するのも事実で、そういったものをつくるのは容易くないです。
ペンケースひとつとっても、いざ新しいカタチを見出そうとするとまあ簡単ではありません。
例えばペンケースでいえばファスナーを使ったものが多いので、
「ファスナーを使わない」「ホックを使わない」など制約を設けることによって、デザインの可能性を探します。
アイデアそのものはなんとか出たとしても、前例がないことへのチャレンジには時間を要します。
何度も何度もやり直し、結局お蔵入りなものも結構あります。
ただ本当の自分のカタチを生み出せた瞬間は、革職人として世の中に存在できた気がします。
このバナナペンケースも私にとってはそんな気がしました。
そしてもうひとつ新商品を制作しました。
現代版あづま袋です。
あづま袋とは江戸時代の頃に西洋の鞄に影響を受けた人たちが、風呂敷や手ぬぐいを縫い合わせてつくったものらしいです。
当たり前に袋をもらうことはできない世の中では、またこういったあづま袋のようなものが活用されていくような気がします。
新商品を生み出す際、ぺンケースのときとはまた発想が逆で、「時代を越えて存在してきたもの」と「今を生きる自分」を掛け合わせたいという願望もあったりします。
「時代とたくさんの人の知恵が足されながら、マイナーチェンジを繰り返されて今も尚繋がっていくもの」
自分もまたそのひとつの踏み台となり、次世代へ繋げていくような、そんなものづくりにもやりがいを感じています。
このバッグは使う度に革が柔らかくしなやかになり、身体にフィットしてきます。
今回制作したのはサムライという馬革です。
日本のタンナーによる最高級の馬革です。
私が革を始めた当初、初めていった展示会でこのサムライという革をみたことがありました。
馬3頭分の革が壁にどーんと展示してあり、すごい迫力とその艶と手触りにうっとりしていました。
「いつかこの革を使ったアイテムをつくりたい」と考えていました。
そして今回サムライで制作したわけです。
ですが、今の時代、コードバンも含め、馬革は非常に貴重な存在らしく、
詳しい理由はわかりませんが、廃盤となってしまうようです。
今あるもので最後らしく、貴重な作品となってしまいました。
また革を代えてつくっていくとは思いますが、このサムライでつくるのは最後になりそうです。。
このバッグの裏地には高級オーダースーツで使用される生地を使用しました。
しかもこの生地は私の住む山梨県でつくられています。
富士山の湧き水で染め上げた先染めの甲州織物は、吸湿性に優れていて絹のような肌触りです。
光沢が非常に美しく、玉虫色のような風合いが出ています。
繊維が柔らかく静電気が起きずらく、虫にも食われにくい素材となっています。
化学繊維などの通気性の悪い裏地をつかっているとカビの原因にもなります。
そういった面も考慮し、裏地にも拘ってみました。
どうしても制作できる数は少ないですが、今後も思いを込めたものをリリースしていければと思います。
オンラインショップで販売しています。