マイケルジャクソンがこの世を去ったとき、メディアでキングオブポップと語られていた。ちょうどそのときブランド名を考えていた私は、「それならば私はキングオブレザーだ!」と自らをキングオブレザーと名乗ることを迷わず決めた。自らで名乗ったブランドネームに宣戦布告をしたのだ。その日から革の世界を追求し続ける戦いが始まった。
それは3畳ほどの物置から始まった。もちろんエアコンなどなく夏はサウナのように暑く、冬は冷凍庫のように寒い中、ただただ「キングオブレザー」の名を追いかけるように四六時中、革と向き合った。
そんな日々の中、革製作を通してお客様との出会いを繰り返すうち、私の中でブランド名にもうひとつ意味が生まれた。
それは「革製品を手にしたその人にとって世界一!」という意味。あなたの表情が革に現れ始めた頃が本当の完成であり、そのときまさしくその革製品それ自体が「キングオブレザー」なのだ。