初めて手にした革製品。どのような変化を遂げるか期待を胸いっぱいに感じながらも、少し不安もあることでしょう。永年共にして味わいが増した革製品ほど美しいものはありません。鏡のような光沢としっとりしたオイル感、持ち主の形に変化した風貌。そんな美しい革製品は傷や汚れは多少あっても、革が生きている状態だから美しいのです。愛情をかけて「育てられた」賜物なのですね。
革は耐久性があり堅牢なのは事実です。しかし人の肌と同じで、醜い状態で放置するとカビが生えたりオイルが切れて乾燥して、やがて裂けてしまうということもあります。使うことはもちろん、綺麗にしたり、オイルをいれたり、愛情をかけて育てることが革の醍醐味のひとつです。
ただあまり過保護すぎてもいけなかったりで、子育てのようなコツも少なからずあります。そういった基本のお手入れ方法を、ここでご紹介します。
革用のメンテナンス用品は非常にたくさんあり、用途や使う時期もわかりにくいもの。基本的には、次の3つを揃えれば十分です。
迎え入れてすぐの、水にいちばん弱い時期を守る一本。
オイルを入れる前に、日々の手垢や皮脂をオフ。
3ヵ月〜半年に一度、革が元気をなくしてきたタイミングで。
新品の革製品はまだ赤ちゃんのような肌。傷も汚れもすぐに吸収してしまう状態です。ナチュラルのヌメ革に限り、ムラなくきれいにエイジングさせたい場合は、雨の当たらない窓際などで2〜3日、日光浴させてあげるのも一つの方法です(真夏なら1日でも十分)。必須の工程ではなく、日々の使い方やメンテナンスの方が、仕上がりの差にずっと大きく影響します。

迎えたてのヌメ革は、水がつくとすぐ染みになってしまうほど繊細です。万が一濡れてしまった場合は、固く絞った布で周辺ごと拭き取りましょう。部分的に濡れることがシミの原因になるためです。ヌメ革は「濡れてはいけない」わけではありませんが、最初のうちは特に水シミができやすい時期。だからこそ、濡れる前の備えとして防水スプレーが活躍します。
時間をかけてじっくりなめされた革は芯(コシ)がしっかり残り、オイルも抜けにくいため、1年に1回程度のオイルメンテナンスで十分です。ただし革は生き物。使用頻度や環境によって差があり、常に手に触れるアイテムは手の脂だけでオイル不要なこともあります。冬場など乾燥する季節は特に、表面の様子を見ながら判断しましょう。
大切にするあまり、頻繁に・大量にオイルを入れすぎるのは禁物。油分が入りすぎるとコシがなくなり、伸びて型崩れの原因になります。コツは「革の元気な状態を知る」こと。元気なときは無理に入れない ― 上質な革ほど、オイルメンテナンスは少なくて済みます。
汚い顔にクリームを塗らないのと同じ。日々使われた革製品には、手垢など見えない汚れがたくさんついています。全体はコロニル レザーソープ(ムースタイプ)、部分汚れにはソフトガミ(消しゴムタイプ)が使いやすくおすすめです。
オイルが乾いたら、ブラッシングで余分なオイルを取ると艶がぐっと増します。柔らかく綿毛のような最高級山羊毛ブラシ(コロニル 1909 ファインポリッシングブラシ)がおすすめ。硬すぎない毛のものであれば代用も可能です。全体を軽くシャッシャと擦るのがポイント。

バッグホックやドロップハンドル、キーケースなどネジ式の金具は、強めに締めてお届けしていますが、使っていくうちに少しづつ緩んでくることがあります。紛失を防ぐためにも、定期的なチェックをおすすめします。バッグのカシメが緩んだ場合は、送っていただければ無料で叩き直しに対応します。
ファスナーの滑りが悪くなってきたら、ろうそくや蜜蝋を金具部分に軽くしごき、何度か開け閉めするとスムーズになります。
ここまでご紹介してきたものはあくまでおすすめの方法です。もう少しハードルを下げたメンテナンスとしては、硬く絞った布で汚れを拭きあげて、オイルメンテナンスをするだけでも大丈夫です。最低限オイルさえ切らさなければ革は長生きします。難しく考えず、まずはお好きなオイルをおひとつお手元にご用意くだされば幸いです。
メンテナンスや修理については
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